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Google求人情報におけるローカルSEOの重要性

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Google求人情報で仕事を探す

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ちょっとこれはまだ推測の話なのですが。

Google求人情報(JobPack)のSEO対策の1つになるんじゃないかなと思っています。

簡単にいうと所在地情報です。

Google求人情報はGoogleMapとリンクできる

Google求人情報で仕事を探す

Google求人情報に表示される案件の中に、所要時間が表示されているものが稀に存在します。

赤枠をつけた箇所です。

Google求人情報にGoogleMapが出現

リンクされた案件にはGoogleMapが表示されます。

これが何に役立つかというと、検索した人が自分のGoogleアカウントに「自宅の住所」を登録している場合、自宅からこの案件の勤務先までの移動距離、経路と所要時間を簡単に把握できます。

登録していない場合も「現在地」からの距離と時間を把握できます。

では、Googleはどこからこの情報を持ってきたのでしょうか?

GoogleマイビジネスとJobPosting構造化データの住所を突き合わせている可能性

西麻布五行のナレッジパネル

上記JobPack募集案件である「西麻布五行」を検索してみるとナレッジパネルが表示されます。

この中に「所在地」として住所が載っています。

つまり「西麻布五行」はGoogleMap上に存在するのです。

西麻布五行の求人掲載媒体はDジョブ

しかしそれだけでは足りません。なぜって、JobPackで求人を出しているのは「西麻布五行」ではなく、ドコモが運営する「dジョブ」だからです。

サンプルを取るためいろんなクエリでJobPackの表示やナレッジパネルの存在、GoogleMap情報などを確認してみたのですが、こちらで調べた限りでは多分合っているはずです。

ちょっとこれたとえが悪いのですが、dジョブの場合は募集ページに対象案件(西麻布五行)の所在地をきちんと掲載してくれています。

しかし求人ポータルサイトによっては所在地を表示していないケースが多く、たいていの場合「最寄り駅」または「市区町村」止まりになると思います。

しかしこうした場合でも、対象案件がGoogleMapに表示されており、かつ、必要な構造化データがある場合、JobPackにてGoogleMapの表示を確認しています。

恐らく番地・号地まで一致していればOK

西麻布五行のdジョブの募集ページの構造化マークアップ

こちらがdジョブの募集ページを構造化データテストツールにかけてみたところです。

案件の所在地情報として、きちんと streetAddress(町名・番地・号地)まで入っているんですよね。

おそらくですが、Google検索エンジンがこの構造化データマークアップの記述とGoogleマイビジネスのビジネス情報とを突き合わせて「一致」と判断された際に、GoogleMapが出現するのだと考えています

ただこれ、求人ポータルサービスによっては、案件を管理するデータベースやCMSの技術的な制約などから streetAddress を入れていないケースがかなり目立ちます。先程述べた「たとえが悪い」というのはこの部分で、dジョブはそのへんしっかりしているようで、ちゃんと対応してくれていたため逆に説明が複雑になっちゃいましたw

streetAddressが入っていない場合でも、こちらで調べた限りでは下記どちらかが入っている案件でGoogleMapの出現を確認したため、最低でもどちらか一方さえあれば「一致」と判定されることはあると考えています。

  • streetAddress(町名・番地・号地)
  • postalCode(郵便番号)
ただし…これもたとえが悪いのですが、dジョブの streetAddress の入れ方は間違っています。この項目は住所のうち「町名」以降のものを入れるので、この場合「西麻布1-4-36」とするのが正しいはず(建物名、部屋番号があればそれも入れる)。その前の「東京都」は addressRegion に、「港区」は addressLocality に入ってますからね。
ポイント

ただし、しごと検索のガイドラインによると「streetAddress」を入れる場合、同じものがページ内に目に見える状態で記載されていなくてはなりません。

所在地が明確だと絞り込みが効く、ロングテールに強くなれる

もう1つ、JobPackの特徴をご紹介します。

Google求人情報検索

このような検索を行ったとします。

ここにキーワードを追加してみます。

Google求人情報検索のUIが変化したところ

「時給4000円」というキーワードを追加したところです。

赤枠の中を見てみてください、さっきと項目が変わっていますよね。

先に検索した時は「カテゴリ」が選択されており、候補が出現していました。

この部分はいわゆる検索オプションでして、検索に使用したキーワードに一致した案件が表示された後で、更に詳細な条件で絞り込みを行えるものです。

ところが検索に使用したキーワードである程度案件を絞り込めている場合、それ以上絞り込む必要がない項目は省かれることがあるようです

ここも複雑なのですが、それ以上絞り込む必要がないケースは大きく2パターンあって、「職種や勤務地など詳細条件が限定的である場合」と「一致する案件数が少なく、それ以上絞り込む意味がない場合」があると考えています。

つまり「職種」だったり「肩書」だったり「勤務形態(アルバイト、派遣、正社員等)」だったりは、検索キーワードで絞り込むことが多い項目です。

対して「距離」はキーワードで対応することがあまりないように思いますし、先程述べたように勤務先住所がGoogleに認識されていないと測定すらできない要素でもあります。

裏返せば、勤務先の所在地が明確であれば、この検索オプションを使って絞り込んだ際に候補に残ることができるわけです。

Google求人情報に案件が1つしかない状態

先程の「西麻布五行」の場合、検索キーワードで条件を絞り込んだ際、「距離」として「2km」が自動的に選択されているため、検索結果にはこの案件1つしか出現していない状態となっています。

でもキーワードから考えて、六本木で時給1500円前後の条件で求人を出しているラーメン屋が1件しかないってありえると思いますか?

この「2km」というのがどこを中心としているのかはまだ調べきれていないのですが、仮に六本木駅とした場合どうでしょうか。半径2km以内に求人を出しているラーメン屋が1件しかないのでしょうか。

ここが推測になるのですが、Googleマイビジネス(またはローカルビジネスリスティングなど)で所在地を明確にしている求人情報でこのキーワードに該当するものがこれしかなかった、というケースなんじゃないかと思います。

ただし対応するのはポータルサイトではなく募集企業

ここが一番のネックになるかと思いますが、今回注目した所在地情報をGoogleに認識させるためには2つの準備が必要と考えています。

1つがJobPosting構造化マークアップ。これは求人情報を掲載する媒体が作成するので、求人ポータルサイト側で設定すべきものです。

もう1つがGoogleマイビジネスやローカルビジネスリスティング等になり、こちらは募集をかけている企業自身で設定するものです。

両方揃った上で「両者が一致する」とGoogleが判定した場合に機能するものと思われるため、求人ポータルサイトに丸投げできる話ではありません。

しかし、詳細条件を検索キーワードで絞り込むということは、検索者が「この条件で働きたい」と考えていることを意味するため、いわゆるロングテール戦略と同じように、掛け合わせるキーワードが多ければ多いほど具体的な意図を持った検索といえるはずです。

そのぶん使用される回数は減りますが、一致する条件で求人が見つかった場合のコンバージョンレートは非常に高いものとなることが期待できます

応募を期待する場合、JobPackでの順位だけでなくこうしたロングテール方面の対策も意識されてみてはいかがでしょうか。

ただし通常の自然検索におけるロングテール戦略と違い、対策を行うべきは「コンテンツ(ページ内にキーワードを埋め込む)」ではなく「構造化マークアップ」と「GoogleMap」です。なのでどちらかというとローカルSEOといえるかと思います。

特にアルバイトの場合、自宅から比較的近くで探すケースが他と比べて多いと思いますので、よりおすすめできると思います。

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